ハーフティンバー建築

 日本でもお目にかかるのだそうだが、ぼくは、始めにパリで、続いてオーセール、そしてクラムシーでお目にかかった。ぼくが見た限りでもっとも古いと思われるハーフティンバー建築物の写真。クラムシーにて。

 次の建築物は歴史遺産に指定されているとか。ちゃんと人が住んでおられます。

 オーセールの旧市街にハーフティンバー建築がずらりと並んでおり、それは壮観である。その一角でお弁当を広げていたら、ボナペティー、と声を掛けられた。メルシーと返すのが礼儀なのだろうけれど、声を飲み込んでしまったことを懐かしく思い出す。
 知り合ったばかりのローランという知人にパリを案内されてぶらぶら歩きをしていた折、サンタントワーヌ通りに、ハーフティンバー建築が2棟並んでいた。「パリでもっとも古い建物の部類に入ります」とローランさんからご案内いただいた時、石造りのパリの中で木造建築であることに、非常に強い印象を受けたのだが、それよりもっと強い印象を得たのは、「あそこは泊まろうと思えば泊まれますけど、ホラ、日本でいうラブ・ホテルのようなところです」ということだった。
 ハーフティンバー建築が何故にブルゴーニュ地方のオーセールやクラムシーに多くあるのか。そもそもこの建築様式は15世紀から17世紀のイギリスで盛んに取り入れられたということだ。チューダー王朝時代に盛んであったためチューダースタイルともいうらしい。高級住宅だった。
 この建築物こそ「乳母」の歴史を解く鍵なのかもしれないと思っている。、