『今を生きる』

 今日の清瀬班雄講義通信は、先週鑑賞した映画『今を生きる』についての声。選集とならざるを得ないのが残念。

隣の人も教材 日本社会事業大学特別活動論・教育方法研究講義通信 2010年5月29日
映画「死せる詩人の会」(邦題「今を生きる」) 感想選集

1. 物事を違う目線から見てみる。という言葉がすごく印象的だった。学校、教育、教師、生徒、いろんなことをこの2時間で考えさせられた。それから、この映画を見て思ったことは、権力について。舞台であるあの学校はあの少年達にとってすごく生きづらいところであると思う。けれどもキーティング先生の登場で彼らの方向がみるみるうちに変わり、目がはなせなかった。キーティング先生は生徒に新しい世界を導き、影響を与えていた。ひと味違った先生で、彼が発する一言一言が心に残った。生徒が死について、誰が彼を殺したのだろう、権力?親?自分?先生が殺した、と映画の中でも言っている人がいたが、私はそうは思わなかった。先生はニールの中に新しい自分を発見させた。だけどニールが死を選んだことは衝撃的だった。誰も死ぬなんて思ってなかっただろう。人って何を考え、何をするか分からないから、怖くもあり、面白い。教育から受ける生徒の影響って、すごく大きいと感じた。教師という立場の責任の重さ。でかい。この作品もう一度見たいと思った。
 やっぱり人の死は悲しい。(竹)
2. 視点を変えて物事を見たり、自分のある方向を決めるということを伝えるのはとても難しいと思いました。言葉で言うだけではきっと上手く伝わらないと思うし、映画の中の様に物質的に体験しても、実際には物質的なものではないと思います。(前)
3. 死ぬことが悪いことではないと考えているため、ニールが自ら死を選択したことは間違いではないと思う。同時に、キーティング先生の指導方法も間違ってはいないと思った。「教育」や「自ら考える」ということに関しては、考え直すことができた。
 一人ひとり、考え方や価値観が違う世界で、「教える」「学ぶ」ことは本当に難しいことだと思う。どれだけ正確に伝えても、伝えた本人と伝えられた人とでは、若干、とらえ方が違ってしまう。だからこそ、人と話すのは楽しいのだと思う。(志)
4. “自分の行動に責任を持て”と言われる。それが良いことでも悪いことでも、自分の選んだことであり、その結果は自分で責任を持つしかない。普及型であれば、自分はなにも考えず、教えられたことをただただ受け取るだけでいい。間違っているとあとから言われても、それは国家の責任できる。自分で考えないのはじつに楽なことだと思う。対話型は自分で考え、自分で学んでいかなければならない。何を思うか、何を考えるか、それは全て自分の責任となる。他人の言ったことに感化されて行動しても、それを他人のせいにはできない。実際はそんな極端なことではないのだろうけれど。
 アメリカとかイギリスの学校をテーマにした映画に出てくるごはんはなんていつもおいしくなさそうなのだろう。(鳥)
5. まず、見終わったあとにすぐもう一度見たいと思いました。さまざまな場面の中で、よく考えたいところがたくさんあったのですが、やはり初めて見たからなのか、どうしても話を追ってしまうところがあり、十分に考えることができませんでした。なんだか今の気持ちのままもう一度すぐに映画を見たいです。人間の顔というか表情をアップにして心情を表しているところや喜ぶ様子、悩む様子など、行動が身体全体から表現されていて、とても引き込まれるものがありました。キーティング先生が生徒に何を教えたかったのか、学校との関係、親の期待、子どもがやりたいことを見つける瞬間・機会など、あげればきりがないような気がしました。興味深い映画を紹介していただき、ありがとうございました。(高)
6. 最初に授業で、国家知は社会知から都合のよいものだけを取って、都合の悪いものは否定するというのを聞き、例が農業のあり方(大農園法)だったので、とても分かりやすかったです。(自宅が農家なのもありますが。)
 ビデオについては、本当に色々なおもいが沸いてきました。学校全体が1つの独裁国家の様な印象を受けました。(生徒の保護者も含めて) そんな中、キーティング先生の様な存在は、個人的には、生徒にとって必要だと思いました。たぶん、ニールの親自体は子供のことを自分なりに考えた結果の行動だというのは、今の私目線なら思えるけど、もっと幼い頃の私だったら「こいつに話したって無駄なんだ」と思ったんだと思う。というより、思っていた覚えがある。共感したり、考えたりのビデオでした。文章がまとめられず、申し訳ないです。一回ではなく何回か繰り返しみたいです。(上)
7. この映画は中学・高校と、以前にも2回ほど見たことがありましたが、先生のおっしゃった通り、見るたびに違った印象を受けました。
 映画の主人公達の様に、将来を考えて自分自身何をやりたいか分からず一度浪人をしてからこの社大という福祉の道に来たので、とても共感する部分がありました。(若)
8. ニールは演劇に興味があった。しかし両親の前での従順な息子を演じるのは、嫌だった。ニールは、自分の中で矛盾や葛藤があったのでは感じた。自殺は両親への反抗や、今までの自分を演じるのをやめたことを意味するのかなと感じた。
 キーティングに出会ってから、生徒の価値感(帝政のこと:価値観)や考え方が変化してく様子がとても面白かった。ドットの最後の場面は最初からは考えもつかなかった。感動しました。
 また観たいです。(坂)
9. 今日は映画を観ました。有名な大学に進学するためにとても頭のいい高校生が、毎日勉強している映像を見て、勉強するのはよいことですが、教科書だけが勉強すると言うことではないと感じました。自分で考えることがとても大切なことだと思いました。映画の中の高校生は、本当は自分のやりたいことがあるはずなのに、何でもかんでも親に言われた通りの人生は息苦しいと感じました。この映画を通して、教育のあり方について、考えさせられました。(藤)