放浪者

 新しい原稿を編集者にお渡しした。初めて出版社社長と編集部長にお目にかかった。「お世話になります」
 鍵を持って出るのを忘れたので、帰宅もできず研究室にも入れないという有様。リタイアしたあとの生活の予習のようなものなのだろうか。それにしても時間が過ぎるのが遅いと感じた。仕事があるというのは、こんなにありがたいことなのか。しかし、仕事を持たなくなる、という現実に対応する精神と身体とを育てないといけないな。