旨い酒ほろ酔い

 昨夜は西武線ひばりが丘のフランス穴倉風レストランにて、田村氏の招待を受け、望年会。氏と共編著出版の教育学書の編集会議。氏の作成したプロットに基づき。非常に刺激的な会談となった。要は、ぼくの単編著『新教育学講義』『モラル・エドゥケーション』を一冊にした新訂版。出版社事情で言えば、大学の講義のテキストとして使えるようなものを、ということになる。二人の間では、いわゆる系統的概説書ではなく、21世紀教育学の構築を行なおうとの意気込みがある。ぼくとしては、えてして、政治主義的に扱われてきた「近代教育学」−コメニウスにはじまりルソー・ペスタロッチ・デューイに至るまでー、さらにはそれらの教育学を超克する「現代教育学」−フレイレ、フレネ、さらには制度主義教育論ーを、系統発展的な歴史観には留まることのない(新しい)歴史観を内包した論述を試みたい。
 校務が終わり次第、田村下案に基づき、編集趣意書をしたためる。

 帰路はほろ酔い加減で西武線鈍行で揺られる。
 そもそもひばりが丘は我ら夫婦が最初に居を構えた地である。
 続いて富士見台。10代終わりから20代後半にかけて、ここは何度か住み家を変えて、生活した。大根畑の広がりを窓の下に見、夕方には赤く染まった富士の峰を楽しんだ。絵を描き詩を詠み歌や文学を作ったところ、修士論文を仕上げたところでもある。
 続く中村橋。同時代に、登校する途中つい下車。それが深夜にまで及ぶことがしばしば。ビリヤードの店通いを盛んにしたところである。・・・
 学問に志し、挫折感を痛烈に味わい、友情を確かめ合い、「遊び」に「今」を見・・・そういう我が青春の路線が西武池袋線である。そうそう、新所沢を加えれば我が居住地西武線沿線は完成だ。