エーン!


 
 研究室で仕事をしようと目白まで来たのに・・西門が閉まってる!! こういうときには悪知恵が働いたかつてのぼく。脳内では、
1.門に飛びつきエンヤとよじ登り、飛び降りる
 脳内でさらに情景を再現させ、脳内会話・・・
 「23日に、西門に向けて、警備用カメラが設置されているところを、目視したぞ。」
 「んな、あかんなぁ。」
 「そうです!こういうくだらないことでクビになってはいけません。」
 「そやなぁ、もっとくだらんことやないと、おもろないな。」
2.門扉沿いに歩き、警備用カメラのレンズが届かないところをよじ登り、乗り越え、飛び降りる。
 歩道を行きかう人によって警察に通報され、不法侵入容疑、いや、現行犯で逮捕される哀れな自分の姿を想像することによって、衝動を逃れる。
 
 正門はいつも開いてまっせ。衛視がことのほか厳しかった。
「どちらですか?」
「こちらのものです」
「・・・・」
「・・・・」
「どちらに行かれるのですか?」
「(指差しして)あっちにいきます。」
「・・・・」
 もう一人の衛視がドスの聞いた声で、「まじめにお応えにならないと警察に突き出すぞ。」と怒鳴る情景があった。そのあとぼくは、「ちゃんと文学部棟を指差してお応えしました。」とその衛視に言った。「先生ですか?」「うん。」「御用は?」「内緒・・いや、研究のことなので内容は内緒。」「ごくろうさまです・<二人揃って、敬礼>」
 ことのほか厳しいといってもこの程度で、ちゃんと入ることができた。

4.<閑話休題>正門の前を走る目白通りをホンの少し右手に行くと目白警察署がある。だから、「警察に突き出すぞ」は、かなり真剣みがある脅しなのだ。