パリ描画8 ペール・ラッシェーズ墓地

 日本で言えば雑司ヶ谷墓地のようなものだろうか。文学者など著名な人が眠っているペール・ラッシェーズ墓地。ぼくは今まで、パリ・コミューン研究のフィールド・ワークの一つとして、ここを幾度となく訪問してきた。1871年5月の末、この墓地の一角での戦闘でおびただしい血が流れ、そしてパリ・コミューンの「実験」が終わった。パリ・コミューン側の死者を弔う連盟兵の碑。

 だが、ぼくにとって強烈な印象を得たのは墓地外周壁の外側にしつらえられた公園のメモリアル。戦闘の「影」を強烈に訴えている彫塑である。

 昨秋訪問した時には白ペンキで大きな落書の跡があった。無性に悔しさがこみ上げてきた。そして今回の訪問時には落書はぬぐい消されていた。しかしその跡がまだまだ白くくっきりと残る無残さ。悔しさは晴れない。次は2006年2月末訪問時の彫塑。