パリ描画9 エッフェル塔

 某日、モンパルナス墓地に知的障害教育の先駆者J.M.G.イタール先生のお墓参りに出かけた。墓地前の並木通りで、数日前に仲良しになった花売り娘のベキちゃんから紫陽花の花束を買って、お墓に供えた。

 墓参の後、イタール先生終焉の地パッシーを訪問した。イタール先生の時代はパリから外れた鉱泉が湧出するので保養地とされているだけの侘びしい田舎町だったが、今ではパリの最高級地となっている。イタール先生が亡くなったのはどの辺りだろうと、きょろきょろと見渡しながら、散策をした。こんな邸宅がぬっと顔を出し、度肝を抜かれるほどだった。

 どれほどの地位の人が住んでいたのだろう、そして今、住んでいるのだろう、きょろきょろ・・。えっと、今どこ?岩山の前に朽ちた邸宅の門。

 茂みをかき分けて歩いて行くと・・・。

 偽鳥に魅せられていると完全に道を見失っていることに気づいた。えーん、迷い爺だよ―。・・・ん?茂みの向こうに見えるのは、エッフェル塔

 茂みを抜けると岩山の石段の抜け道。

 そして、パリ左岸を見晴らす絶景へ。