汗だく

 ある雑誌から書評依頼が届いた。いやー、何十年ぶりかなぁ、依頼原稿なんて。少なくとも15年より今ではないわ、くそっ(ちょっと下品)。でっち上げ報道を批判したら、でっち上げがいけないんではなく、でっち上げられた方がいけないんだからでっち上げ批判はけしからん、と、まあ謂わば、喚問のようなものを受けた。それ以来ですな、いわゆる依頼原稿というものが、ぴたっと止んだ。
 で、今回の書評は、御大がぼくを売り込んで、恐らく、もうぼくのことなど過去も現在も知らない人たちが現在を動かしているために、依頼となった・・と思う。
 ところが、書評すべき本が届かない。本がなければ書評はできぬ。いや、すでに何度も読んだのだが、ぼくの手許から消えてしまっているため、どうしても本は必要。あれこれ日程が立て込んでいる(ゲラや旅など)故、一日も早く書評に取りかかりたい。
 出版社の営業部に電話。在庫があるという。
「では、今から伺います。領収書を用意しておいて下さい。」
 やっと手に入れた。この本は重い。重いので汗をかく。

 さあ、読み込むぞ。「厳しい批判をして下さい」とは依頼主。褒めることは苦手だが、批判することは大の得意。お任せ下さいな。