パリ20区、僕たちのクラス

 岩波ホールにて鑑賞。映画館で映画鑑賞なんて何年ぶりのことだろう。
 原題はEntre les Murs。邦題とはずいぶんと開きがある。邦題は移民の都市パリのとりわけ人類のるつぼであるパリ20区の公立中学校のフランス語の授業、ホームルームを中心舞台とした日々の教育の姿を描いている、その映画の素材に対して付けたもの。原題は直訳すれば「城壁の中」、城壁で囲まれたパリの実情を示す。城壁はあくまでも表象。原作の邦題は『教室へ』。なるほど、教室は城壁で囲まれているようなものだものな。多様な文化それぞれに身を包んだ思春期の子どもたちの生き方の中に入る込むことができるフランス語の授業ということを象徴したのだろうか。