子どもの病院

パリにネッカー子ども病院というのがある。その歴史は古いが行政文書に登場するのは1802年のこと、この年の6月に開設されたという。急患の子ども、慢性的に入院治療を必要とする子ども、しかも男女別、という記述が見られる。ぼくはこの病院のことを、これまで「病弱児施療院」とみなしてきた。Hôputal des Enfants-Malades の訳語である。だが、1816年に刊行された、施療院、救済院、それぞれの状況に関わる行政報告書によれば、Hôpital des Enfansとある。enfansはenfantの古語。現代風に言えばずばり「子ども病院」である。
 これだから、当事資料で確認しなければいけないのだ。