本谷実践の学び

 昨日の自主ゼミは本谷宇一さんの講演。学生の参加は12人。今年に入って参加している学生が多く、それはそれで嬉しいが、今自主ゼミ結成を準備し始めたちょうどその曜日(一周年)にあたる昨日という節目を考えると、少し寂しさを覚えるが、それは感傷というもの。「今を生きる」若者にとって、自身の力で「今」を選び取ることこそが大きな意味のあること。
 本谷さんとのつきあいは30有余年に及ぶが、彼が学生を前にして話をする姿を見るのははじめてのこと。彼の「子どもが「発問」する授業」づくりに進むようになったきっかけの語りから始まり、「教科書」作りの裏話(つまり、「教科書」教材の問題点。彼は国語教科書の編集・執筆者でもあった。ぼくと同じ教科書)、そして具体的な実践へと、巧みな話術で学生たちを飽きさせない。「教え込んでみんな利口にする」という脅迫的神話に囚われている学生も当然いるし、「教育とは何なんだ?」という問題意識で聞き耳を立てている学生もいる、実践と制度との間隙・相克を克服する方法を立案する将来の自分像を描いている学生もいる、もちろん、今は何でも学びたいという学生等々、多様な学生たちの声が、本谷講演の後に出された。「教育学部」ではなく、学部学科そしてキャンパスを違えた者が一堂に集まってテーマを一にし学びあうという姿を、本谷さんはどうご覧になっただろう。
 次回自主ゼミは「偏差値」をテーマにしてフリーディスカッション。ぼくの「受験」時代にはなかったツールであると言うことなど、学生たちは知り得ない。ポスター作成、構内に張り出す依頼。