「熟女」からのお誘い

 午後3時過ぎ、携帯にメール着信の振動を感じた。誰だろう?何だろう?
「こんにちは。今日も早くお帰りですか?もしお元気でしたら、押しかけてもいいですか?」
 姫様だ! えっと、早く帰るわけがない、という結論が直ちに導かれる。
「7時まで会議ですが、それ以降は体が空いておりまする。」「では、押しかけちゃうことにします。7時過ぎにお部屋でよろしいですか?」「からだがいなくても部屋でお待ち下さい。」「うい、むっしゅ。」「中央教育研究棟6階でございますよ、マドモアゼル。」「マダーム、とお呼びくださいまし。」「ああ熟女ね、マダーム。」「ほどよく熟しておりますよ。」「うおー。今日はどうしたの?と言いたくなります。お越しいただくのを楽しみにしています。マダム。」「中身も見た目も通常バージョンでござりまする。」
とまあ、久しぶりのメールピンポンを楽しんだ次第であります。姫様は旅仲間の一員。てくてくてくてく歩くぼくの旅方式を受け入れて下さっている数少ないお方。「墓」や「地下」を選び、名所観光所を選ばないぼくの旅方式を受け入れて下さっているお方。さらには言葉遊びにもつきあって下さる希有なお方であるわけですから、昨夜の「押しかけ」が楽しくないはずがない。昨夜のメールピンポンにも言葉遊びが仕掛けられている。
 夕食を共にし、来年の「セガン生誕200周年記念、セガン研究の足跡をたどる旅さささやか身内だけになるだろうねぇ会」などを肴にして、楽しく語り合いました。お別れした後いただいたメールの中のこんな文言。「鶴狸腹」・・・ンだす、鶴が狸腹など、醜いだけじゃ。この夏がんばって、へっこめますっ!