旅第一陣の準備完了

 明日から放浪の旅に出かける。美しい夕陽を見たいという衝動。チケットが手に入らないかと心配だったが大丈夫。
 旅の間、ノートPCさえ重く感じられる昨今、思案の末、テキスト入力装置を購入。フランス語入力ができないのは残念だが、後で修正すればよい。
 頭の保護、イヤ、日射病予防のために、ハンチングを購入。
 今夜は夕食を有さんと楽しむ。
☆西門方向から、グラサンをかけた宝塚歌劇団員と見まごうばかりの男装風の麗人がこちらに向かって足早に歩いてきた。3メートルほどの距離のところでにこやかな笑みを浮かべ、グラサンを取り、「せんせ、今度一緒に食事しよ。」と、見栄え(ミバ)と発話(シャベリ)との間にややギャップを感じるけれど、きわめて魅惑的な挨拶語をいただいた。脚長ブリッコだの、色白ブリッコだの、ファッションブリッコだの、その時々だけ見栄えがよくなろうブリッコはごまんといるが本物の「美」はまずいない中で、この男装風の麗人は、心臓が早鐘を打つほどの美人である。その美人からお食事を供にしようとのお誘いである。返事を言いよどんでいたら、「おいしいところあるんだから。」とさらに誘いの言葉を重ねてきた。早鐘心を一括変換し―話題を無理矢理変えるということ―、「明日から三日間、姿消すからね。」と返答した。「どこへ行くんですか?」「夕陽が見えるところ。」「日本中どこでも夕陽は見られますけれど。」 と、ごくまっとうな疑問が提出された。んだなー。だけんど、美しい落陽の風景を、今オラは、じっくりと味わいたいのですガヤ。「ンじゃ。」美人はその場を立ち去る行動へ。「どこへ行くの?」「勉強しに。」「オー。」 楽しい時代になったものだ。美人が爺さんにおいしい食事を供にしようと、誘うとは。いや、冷静になれよ、爺さん。かの麗人、ぼくの授業中の語りに、色々と厳しい注文をつけると、言ってたことを忘れないように。
☆夕刻6時より2時間強、吉池の寿司屋しゅんにて、有さんと会食。というより、有さんからお誘いをいただき、ありがたくごちそうになった。ぼくと違って有さんは職場で重職にある。色々とご苦労があるだろうに、生のままの有さん、つまり自立した大学人としての立場から、授業論、学生論等々を語ってくれた。ぼくなどただ吠えているだけ、具体的方策もない大学論で、さしずめぼくの学生時代で言えば「大学解体論」につながりかねない、ある種諦観を語っているだけ。おいしい肴と建設的な話。とんでもなく贅沢な一時を過ごさせていただいた。有さん、ありがとう。次回はぼくがホスト。さて、どんなホストになろうかしら。ムフフがいいか、ガハハがいいか、それともフムフムといきますか。
☆お別れして帰路、千代田線馬橋駅停車中激しい揺れ。電車にはスプリングがついているから、揺れを増幅しているのだろうか。しばらくして発車。やれやれと思ったが、北小金で再び停車。前方を行く電車の安全確認のためだという。南柏に着いたのは10分程度の遅れでしかなかった。車中は随分と時間が長く感じられた。震度4とのこと。