小さな漁村にて

「落陽」という韻律から受ける感情とは違い、生命の百相ほとばしる逞しさと出会うことができた。
 荒海に光を投げる燈台を守るが如きカンナ。

 荒海や静まれかしと首垂れ。

 食の源の顔、海人集落。

 遠い昔日のこと、この道の奥の岬の海中に大きな岩場があり、竹籠の生け簀に魚を生かしたまま保存した場所「籠場」があった。