簡単な祝い膳

 先週「会いたい」と言ってきていた卒業生のノリコちゃんと、教員採用地区内定祝いを行う。うちの大学で教育実習ができず、卒業してから会社員を務めていたが、上司から「仕事を辞めなさい」旨をしばしば言われ(パワハラに相当する言動)、人生を展望しきれない苦しさや悔しさを、ぼくに語ってくれていた。やはり教師をめざしたいので某大学の通信教育を受け始めたと報告があったのは一昨年。我が大学で失格の烙印を押されたけれども、某大学では優秀な成績の教育実習だったとか。そして採用試験を受け、秋、二次合格。そして今…。後は予定配属校の校長面接があるだろう。3月中旬にははっきりするはず。
 ぼくは、前に引っ張ることも、後ろから押すこともできずにいた。ただ、ノリコちゃんの心情も感情も行動も、聞き、見守り続けてきたことは確かである。
 祝い膳を終えて店を出ると雪。研究室に戻り、静かで暖かい環境でじっくりと語り合った。ついでに、ウィスキーで「乾杯!おめでとう。」お祝いは何がいいかな?と訊ねたら、「左利き用のハサミ。」との返事。さっそく探しましょう。