迷歩のお薦めはできないだろうな

 昨年数回僕の研究室で談笑をしたことがあるN大のK君が、2月に入ったら1週間ほどの日程でフランス+ベルギーに仲間と修学旅行をしようと考えている、ついては「フランスに詳しい」という僕から、行ったら良いところ、食べ物の薦めをして欲しい、とメールを寄越した。すぐさま「よりによって小生に問いをするとは、と思わず苦笑いをしました。あなたたちが行く予定であるという、ルーブル美術館エッフェル塔凱旋門、等には小生行ったことがない、という返事で小生の言わんとすることがご理解いただけるかと思います。また、食べ物に関しても、小生がお薦めすることがあるとしたら、その薦めに従ったあなた方は、スーパーで買ってきた地場産物の加工品をベッドの上に広げて食べているご自身の哀れな姿に気が付かれることでしょう。」と返事をした。付け加えて、危険度アップになっている今時のフランスです。軍関係者が機関銃を構えて街中を闊歩している光景が目に入ったとしても、「スゲー」とか「かっこいい」などの外言をなし、カメラを兵士たちに向けたり、フランス語の実地練習台にすることの無いようにご注意申し上げます、とも。
 「速足の旅はフランスの首都には似合わない。」(小倉孝誠『パリとセーヌ川 橋と水辺の物語』(中公新書