国立国会図書館アーカイヴズ

 ドーデ−の「ベル・ニヴェルネ号−ある古い舟と船乗りの話」は児童文学。原文を四苦八苦して読んでいるぼくには「児童文学」などととても思われないが、それはまあ、語学力の問題だから。何とも理解しがたい原文表現に出会い、フランス語教養をにわかにつける必要を感じたけれどそれは無理。何とか翻訳物を入手したいと思い立った。フランス国立図書館にはアーカイブズの配布サーヴィスがある、恩恵に被っている、ならば、日本の国立国会図書館のアーカイヴズで配布サーヴィスの恩恵に被ろうではないかと、作品蔵書検索。
児94-D-16 :/船の子人の子 : アルフォンス・ドーデー 著 ; 永井順 訳 ; 長谷川露二 絵. 新少国民社, 昭和23. 230p ; 19cm.
があることが分かった。ばんざーい・・・ではあるが、館内閲覧のみのアーカイヴズ。フランス並みではないのだなぁ。残念。
 では、ネットショップ「日本の古本屋」にはないのだろうか。単行本としては出品されていない。ドーデ−の短編集に収められているのだろうか。
 ドーデ−原著翻訳本角川文庫『川船物語』がある。古書店のあっちこっちに在庫しているようだけれど、これはぼくの求めるドーデ−原作本の翻訳なのだろうか。ネットを駆使して『川船物語』の原題を探ったが不明。
○久しぶりに姫さまとメールピンポン♪
鶴:今日は。ドーデ−の作品は薪材筏流しとは無関係のようです。クラムシーからパリに《木材》を運ぶ川船にまつわる話ですね。翻訳が出ています。『船の子人の子』永井順訳、新少国民社、昭和23年。あと、『川船物語』との題名のドーデ原作翻訳物もあります。これも『ベル・ニヴェルネ号』の翻訳と思われます。いずれも絶版。
姫:筏が衰退した後の時代なのかしら。日本でそんなに翻訳されてるなんて、クラムシーはやっぱりあなどりがたし。
鶴:薪材と建築資材との違いだと思うけどなあ。
姫:なるほど。使用目的が違うのか。
鶴:時代的には筏の最後あたりのようですが。
姫:過渡期なんですね。
鶴:文学の書き出しがパリ大改造前のようですから。大改造あたりから蒸気船が登場し、薪に代わって炭が使われるようになります。クラムシーには大きな炭生産工場が出現します。
姫:クラムシーは本当に時代に沿った発展・衰退してきた町なんですね。
鶴:そうです。パリの文化に支配されたと言うべきか。
姫:そう考えると、川は罪づくりですね。
鶴:でも川がなければあらゆる文化は創造されないのがフランスですね。
姫:川、筏師がフランス文化を知る標になることはたしかのようですね。
鶴:うん。だから魅力。力が伴わないのが悲しいな。<以下略>