よしぎゅう

 朝散歩に代えて、柏に出て、買い物とお参りをしようと決めていたので、少々朝寝坊。細君に「散歩は?」と訊ねられたので柏に出ると応えたら、10時から介護関係でアポが入っていると注意された。まったく意識にないのは、やはりあなた任せになっているからだろう。「自立したい」と口では言うものの自分のことの大切な問題を自分で処理する意識がないというていたらく。いつもこうなのだから、細君に、ことあるごとに「あなたは言うこととすることが一致しない。」とか「書いていることを実行してください。」などと、出版記念会などの席で言われてしまうのだなあ。10時から介護関係の書類確認と介護用品のレンタル料の銀行振り込み手続き。それにしても、向こうが記入ミスをした数項目の訂正にぼくのみとめを押せというので断固拒否。あと元号で記入せよと言うので、法的に強制されてはいない、勤務校でも西暦で通したと強固に主張。あまりにもはんこを押す箇所が多いので、つい「署名は肉筆でしているのだから真似ることはできないはず、はんこよりほど信頼性が高い、いい加減ではんこ行政の召使いを止めてもらいたい。」と愚痴った。何がどうなるというわけでもないことは分かっているが、腹の虫が収まらなかったのだ。まあ、日本の「公」行政は、「公」という権威が認めなければどれほど信憑性があろうとも、無に等しいという、「天下り」社会であり、自立した個人の契約共同社会から見ると、遙かに後進社会なのだから。これからも、こうしたいらだちと向かい合わなきゃならないかと思うと、憂鬱。「聞こえが悪いから少し大きめの声で」とはじめからお願いしているのに(これは前回もそうだった)、ほとんど無意味。本当に、「福祉」を理解していらっしゃるのかしら。
 11時、自宅を出る。新柏駅回り、つまり東武線経由で柏に向かう。自宅から駅まで15分。ずいぶんと早く歩けるようになっている。数日前と比較して倍の早さだ。電車の中から、ああ、人人人の中にいくんだなあ、と腰が引ける思い。柏駅前デッキに行き着くまでがすさまじい人の群れ。今日は平日だからさほど人群れはあるまいと思っていたのが大きな間違いだった。ビックカメラに入り、プリンターのインク、電池を購入。「ラーメン食べてもいいけど、汁は全部飲んじゃだめよ。」と細君に食事指導を受けたのだが、「吉野家で、並、卵、味噌汁を食べる!」と、密かに心に決めていた。この店にも高齢化社会が押し寄せていた。人のことは言えないが、皆さん、血圧、大丈夫ですか?いやぁ、おいしかったっス。青春の味だすな。どんぶりを持ち上げわっしわっしと掻き込むつもりだったのに、<重くて>左手でどんぶりを持ち上げられない。ああ、青春が遠くに逃げていってしまった。左手の損傷は重いですよと、リハビリの先生に最初に告げられたのが、現実となった。たかが吉野家の並丼さえ持ち上げられないのだ、こ・の・わ・た・し♪。

 心を店には残さず我が左手に残して店を出、旧水戸街道に向けていく。この地域では、大きくて有名で、御神輿もでる柏神社に参拝。ずいぶんと昔は地元で「天王様」と呼ばれていた、と縁起にある。白秋の「祭り」に出てくるあの「天王」である?違った、白秋のは「山王」だった。京都・八坂神社、山形・羽黒山神社につながるという。御手水で俗世の汚れを洗い落とし、本殿に額ずき、二礼二拍手一礼の儀式のもと、「保護者」たちの健康回復を願い、社務所で「お守り」授けを乞うた。お渡しする機会はないので我が手元で健康回復を祈願する対象とすることにした。これから雨の季節に入ると、外歩きが困難になりますものね。
 あとはもと来た道。新柏東武スーパーにより、内緒のおやつを購入。今夜は遅くなるとかで、おやつがことのほか恋しくなるだろう、と。昔ながらの、あのドーナッツ。ミスドのドーナツは、カステラもしくはパン。ぼくの口にはあわないのだ、あの下手物ごとき色彩も合わせて。
 駅から自宅までの道、疲れ果てたという感じで、よろよろ歩き。終日授業をした上、会議、自主ゼミと、たっぷり勤めた日の帰宅時と同じ感覚。
 午後2時45分帰宅。7600歩。10000歩、歩けるようになったら都心に出て、自主ゼミ生たちと学習会をしたい。早くその日が来ますように。