影絵遊び

 エドゥアール・セガンがその幼き日々の回想の場面として父親による影絵遊びを綴っている。「私たち、小さなブルゴーニュ人は、パパの手の動作が壁に、オオカミ、ノウサギあるいは椅子に座っている大工を表象する影絵を作ってくれた時、それを真似しようとしたものである。」とある(『教育に関する報告』第2版、1880年)。セガンはこれを父親(母親も)がルソー『エミール』の影響を受けたものだと推断しているが、それはないだろう。それはともかく、影絵遊びはどのようになされていたのだろうか、と強い興味を持っていた。フランス社会の人びとの生活文化の一端を知りたい。もちろん、影絵遊びはぼくもやった。母親にしてもらった記憶はない、しかし誰かの真似であったことには間違いない。障子に映す、障子を透かす、壁にも映した。
 サン=シモン派のエドゥアール・シャルトンが創刊、編集した『マガザン・ピロテスク』第17年(1849年版)に、「LA SILHOETTE DU LIPIN」(ウサギの影絵)と題された小文が載っている。次の版画を添えて。

 生活空間もうかがうことができる貴重な資料である。