今日から入試

 厳しい入門チェックを受けて構内へ。いよいよ来年度入学生のための試験が開始された。倍率は例年より高めだがほぼ同じと見てよい。ぴりぴりとした空気が漂っているが、はて、ぼくが大学入試を受けた時はどんな按配だったのだろう。ぴりぴりしてた?ぼく本人に限って言えば、昔日を美化するつもりなど何もないが、1年目の東北大学経済学部経済学科受験は親知らずが4本同時に生え始め、痛さもあり、試験に集中できなかった。何せ噛みあわせると血が口元から落ちるという始末だったから。もちろんそのために入試に失敗したとは言わない、実力不相応だったのが実態。
 2年目の東京教育大学教育学部教育学科は、受験科目(理科社会が各1科目)、出題様式(数学、国語、英語を除いて、今日で言うマークシート方式)などを理屈にして選んだので、何が何でも合格しなければという気持ちはなかった。というより、たぶん、人生なめていたんだろうな。倍率は22倍だった。数学と国語はほぼできた。英語は作文と発音(記号)がチンプンカンプン、理科・社会は、それぞれ、すべての科目が一冊に纏められ、その場で科目選択が可能であったので、すべての科目に目を通した。高校時代には習わなかった自然地理、人文地理が一番できると思ったが、理科は生物、社会は地理を選択した。
 こういう有様だから、ピリピリという雰囲気など縁がない。数学・英語では開始後30分程で会場を出た。両手を高く挙げて出てくるぼくの姿を認めて、教室外で待機していた付き添いの保護者たちから笑いが起こった。ぼくの場合は、受験をエスケープするのではないかとの母の危惧もあり姉が付き添ってくれたが、姉は一言「あかんかったんやね」。
 合格発表でぼくの受験番号67番を見つけたときが、一番ピリピリしたかなぁ。この日、東京理科大学応用数学科の入試願書提出締切日だったから。