中・近世の精神療法

 セガンが1856年論文の末尾に書いているスペインの修道士達による精神療法について、その具体についての手がかりを得ることは出来ていない。しかし、セガンの時代の精神医学者が15世紀から19世紀にかけての「狂気」の治療史を書いていることが大きな手がかりになりそうである。しかし2冊あわせて1000ページを超える大著。拾い読みするにしても実力不相応である・・・。第1巻で書き出しがジャンヌ=ダルク、つまり「魔女」の問題となっている。目次を見るかぎり、「魔女狩り」はかなり主要なテーマとして描かれているようだ。今のところ、モラル・トレートメントつまり精神療法に及ぶ記述は見ることができない。
 中井久夫『西欧精神医学背景史』(みすず書房)に知恵をいただこう。