「流産させる会」に思う
愛知県半田市の公立中学校の1年生が妊娠7ヶ月の担任教師をターゲットにした「流産させる会」を結成し(男子19人中11人が組織)、いろいろな「悪さ」を仕掛けたという記事があった。年度で言えば昨年度のことである。全国版に取り上げられたわけだから、新年度、つまり今年度は、この事件を受けてどのような学級編成をしたことだろうか。ターゲットになった先生は5月に出産ということだから、当然のことながら、担任持ち上がりではないだろう。
報道された「悪さ」の中で、ぼくが最も気になったことは、教師用椅子のねじをゆるめた、ということ。詳細にはわからない。どの部分のねじをゆるめたのか。「ネーミングは、本気で意図したものではない」との声が当事者の間で出されているそうだが、果たしてそうだろうか、と思わされるのが、椅子のねじゆるめである。ねじがゆるめれば座ったら倒れる可能性は大である。それを狙ってこそのねじゆるめなのだから、倒れたという物理的衝撃、精神的衝撃によって流産する危険性が強い。「傷害」の意図を持ってする「いたずら」、「未必の故意」。
中学1年生の第3学期。ほとんどの男の子が、あどけない少年期を終え、危険な前期青年期に入っている。そういう発達的な意味のある「悪さ」なのか、それともそうではないのか。判断するにはあまりにも情報が少ない。