駅長たまは公休日でした

 朝から貴志川線で貴志まで行く。スーパー駅長たまに1年ぶりの「ご挨拶」のために。残念なことに、和歌山駅に日曜日は公休日との掲示があり、万が一、も、ひょっとして、も、なく、やはりたま駅長室にはシャッターが下ろされており、改札口の駅長席は空席となっていた。
 貴志駅周辺の古墳等の遺跡を訪問するつもりであったが、あまりの暑さに体がばてそうとなり、こちらも「ご挨拶」することなく断念。駅近在の田んぼのあぜ道の散歩を楽しんだ。タニシがいる田んぼと、いない田んぼ。いない田んぼでは薬剤を撒いていた。しばしタニシの姿を眺め、カメラに収める。瞬間、キミはゴムみたいなのかそうでないのか、などと、子どものころの食料としてのタニシ捕りのことを思い浮かべて、タニシと「会話」した。
 行きはおもちゃ電車と途中乗換えでイチゴ電車、帰りはたま電車と、乗り物を堪能した。
 ホテルでネットサーフィン。アマゾンの書籍を覘いていたら、腰を抜かしてもしかられないであろう情報に出会った。以下、同一本:

Amazon.co.jp 新品 ¥ 4,587 一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。
㈱バリューブックスamazon店 中古品 良い ¥ 446,586 小口に若干の汚れあり。カバーに若干の使用感がありますが、他は問題ありません。

 つまり、ある新本に在庫が見込まれて4587円、にもかかわらず同書が古書で44万6586円ということだ。こういうことがあるのですねぇ。古書値段のあまりの高さに驚いたけれど、それほどに価値があるというのだろうか・・・。いや、単にデータミスなのだろう、たとえば、4586円、いや4686円、いや云々と、亭主頭で値段をつけているうちに、キーボードに指が勝手に走った。正直なところで、店主は、4465円と値をつけようとしたのだろうな。
 でも、本当に44万何がしで情報が流れているわけだから、アホな人はこの値段であっても買うのかもしれないな。まあ、古書値段というのは客観性はないわけで(授業の成績は悪い学生でもバイトで値段を即決することができるという現実があるから、ブックオフは基準が明確に決められているようで、これは「例外」)、ぼくの編著の本「モラル・エデュケーション」(絶版!)は41円、ぼくの初めての著書「生活綴方研究」(絶版!)は2円、編著「新教育学講義」(絶版!)にいたっては1円だの、好き勝手な値段がつけられている。絶版本の古書値段に絶句した、などとバカジャレが思わず出る。
 これはこれで、編著者としては腹が立つ。この感情は、印税になんら関係がないとしても、値段で内容価値が辱められたような、被害者意識というのだろうか。

 夕刻、和歌山市駅まで散策。懐かしい界隈だが少し寂れたように思うのは、お盆休みだからだろうか。駅前の小さな食堂でよく大海老カツ定食を食べた。その食堂をのぞいてみた。営業はしているが、店の半分ほどは物置になっていた。大海老カツ定食はなくなっているようだった。
 ホテルへの帰り道、和歌山城址に少し足を踏み入れる。大きな鳥が空を舞っていたのでトンビか鷹かと思ってカメラレンズを向けたが、首が長い。アオサギだろうか。松の梢に首を長くして止まった光景は、凛とした感がする。