不協和音

 邦訳書と原著。今日もまたその両方を机上に置き、文字列を睨んでいる。
 邦訳書を読み進めていき、ドキドキドキ、と不整脈が起こるところを原典に照らし合わせる。キーーーーーンと頭が鳴ったら、該当部分の原文を入力する。そして、不快なキーーーン音の解消を果たそうと、努力する。だから、なかなか先に進まない。
 「私は野望をぐっと抑えているのであるが、この及第点に彼らを導くためには云々」
 ドキドキドキ。ふむ、野望とな、及第点とな。入力すんべ。めんどーやなー、この作業・・・。
 "pour les amener à cette moyanne, où je borne pour eux toute mon ambition,"
 オラの訳・・・
 「彼らを、私が彼らのために我が全き望みとして定めている、この平均値に導くためには、」
 「及第点」(訳書)も「平均値」(オラ)も、まあ言ってみれば、人並み、ってところ。人並みにできるようにしたい、というのが、(1)もっともっと高い望みを持っているのだが、まあこんなところで手を打っている(訳書)、もっともっと高い野望ってどんなんだべなぁ。(2)人並みに導くことに全精力で尽くしている(オラ)。人並みであることこそ奇蹟とも言われる状態なのだわさ。
 いったい、どっちだんべかなー。
 不協和音が続くナリ。