これはクロック…です

jittyan2011-04-23

 今日は清瀬の日。風雨が激しいので清瀬からタクシーを利用することにした。となると、いつもの総菜屋さんでお弁当を買うことができない。それで、駅前のパン屋に入った。ずらりとおいしそうに並んでいる中で、ひときわぼくの目を引く名前のパンがあった。曰く「クロックムッシュ」。おー、r 音の発音訓練のために、よく、カフェで、「アン・クオック・ムッシュ、アヴェック、アン・カフェ、シルブプレ」とやったあれだ。クロックと言うよりクオックと言った方が通じたっけな。で、商品を見ると、貧弱なサンドイッチ。ムッシュの象徴のソーセージは挟まれていない。色から見るとゆで卵とマヨネーズを練り合わせたもの、どちらかというと、クロックマダムだ。こんなところで、クロックさんは性転換していたのかしら。そう思いつつ、マダムは嫌いじゃないから購入。
 清瀬の学校の講師控え室で、口にしょうと袋から取り出ししげしげと眺めると、はさんであるのはコーンのマヨネーズ和えではないか。これはムッシュではないし、マダムでもない。うーん。クロックオカマだな。いんちきだ〜、騙りだ〜。何でもかんでもフランス名にすればいいってもんじゃない。味はきわめて薄く、クロックムッシュのあの強烈な塩味からは遠く隔たっている。
 授業は「野性の少年」の時代背景、史実、教育方法的意義について等をレクチャー。ぼくが撮影した写真を多く用いながら。その後グループに分かれてどのような疑問も提出しようとの語りかけで、わいわいやりながら「疑問」(知りたいこと)を探し出すバス学習。「どうしてヴィクトールは抵抗しなかったのか」とか「ゲラン婦人はヴィクトールを愛していたのか」とかの、解答不能の質問に、しばし、頭を痛めた。前者については「弱者は強者に対して抵抗不能なのはレイプ、監獄内の囚人等の事例の説明でよいでしょう。」と語り、後者に関しては、この話は直接史料としては2編のイタールの記録が残されているだけ−公文書の類はたくさんあるのだが−だし、ゲラン当人が記録していたかどうかそれさえ不明だし、考えようがない、と解答。「史実ですか?」という問いには、先週の観賞とぼくの資料を用いての説明がまったく無駄であることを思い知らされた。明るくいいクラスだが、こういう大歩危をかまされると気力が萎えてしまう。
 授業の後半は群読。北原白秋「お祭り」。声の出し方を知らない。あれでは、教師になったら、大方の者がのどをつぶしてしまうだろう。腹式呼吸の必要を語ったが、きょとんとしていた。