ねこがいます

jittyan2011-04-24

 昨夜、パソコンをいじるこの難聴者の耳に、じじ、じじ、という声がかすかに聞こえてきた。うーん、幻聴か、それとも耳鳴りか、と首をふったところへ、上娘がぼくを覗き込んで、「光ちゃんが、玄関のところで、じじ、じじって、呼んでるよ。」と、声かけしてくれた。おや、下娘家族がやってきたのか。玄関に出ると、善と光の二人の孫と下娘が狭い玄関で立っている。我が家には猫大家族が先住しているから、上がろうにも上がれない。二人の孫はかまわず上がろうとするが、ぼくが制して、玄関口で応対。彼らの父親、すなわちぼくの義理の息子イアンは、外にいる。彼らとは昨年の11月27日の光の七五三祝い以来の顔合わせとなる。いや、なつかしい。善は変わることなく剣道をやっているとか。光は細君から即席プレゼントの絵本をぼくに渡し、上がりがまちで正座するぼくの膝によいしょと腰をおろし、読んでくれとせがんだ。じじと孫のつかの間の交流。細君の車を借りに来た、と下娘は言う。彼らの立派な車はどうしたんだろう、と思いながらも、「動いた?」と問う。
 イアンが道路脇の垣根の向こうから顔を覗かせ、手を振り、じじ、じじ、という。「どうしたい、アメリカに行ったんじゃないの?原発が心配だから、じじはそうした方がいいと思っていたんだけど。」と声をかけたけど、やはりまだ、日本語理解はできないようだ。下娘曰く、「日本にいることにした。」と。そうだろう、今ここにいるんだからね。
 猫たちが、興味深げに、またおそるおそる、玄関口に、代わる代わる顔を出す。下娘家にいったんは貰われ出戻ってきたタビチョとアフォが、上娘に抱えられ、孫たちによるグルーミングの洗礼を受けていた。
 和やかな一時。下娘家族、上娘そして細君は、近々、マザー牧場に遊びに行く。恒例行事である。その間、ぼくは猫たちと大いにコミュニケーションを楽しむ。
 「こらーっ、タビチョっ!」
 「チビクロ、いい子だねぇ。こっちへおいでよぉ。」
 マークンことマシュマロ、ハナ、グレィ、チビチャ、マヌ、ミミもしくはチョキ、えっと、ど忘れしてしまったぞ。あ、この子も出戻りのヒメだ。生まれてさほど経っていない時に貰われていったが、「膝に乗せてかわいがるためにほしかったのだけれど、全然なついてくれないので。」と返されてきた。よほど強引にやられたのだろう、今も人を怯える。ちなみに貰われたのは下娘家族の所ではない。