研究の発展?

 トドちゃんが「高島易では今年のツルピンは研究が発展するんですって。」と年始めに申された。そんなことねーべ、もう精も根も尽き果てたぞな、いや、生活綴方の「宿題」が残っちょる、そんなん残務整理やんか、などと否定的にぼやいていた。
 そして今振り返ってみると、なかなか面白い現象が起こっている。いずれも今年に入ってから。
1.戦前生活綴方教師の研究に関わって情報提供依頼・・残念ながら直接その教師の情報を持たない、と返事。ぼくのことを「大家」(おおや、ではないぞな)などと持ち上げていることに腹を立てはした。・・その後アクション無し。アクションあれば少しは情報提供できたと思うが。
2.「戦時下植民地朝鮮における同化教育実践」に関する研究論文を見た方から、戦時下朝鮮で発行されたであろう中学生文集についての問い合わせがあった。・・何度かメールのやりとりをしたが、結局ぼくの力は及ばなかった。でも、ぼくはぼくなりに努力したぞな。冬の釜山、慶州に出かけたぞ。
3.ぼくのセガン研究過程で写真の形で収集した「セガン教具」に関わって問い合わせ並びに研究協力依頼があった・・現在進行形。
 そして、
4.フィリピンで先住民族のために学校設立の運動をしている方から、フレネ教育で関わらせていきたい、ついてはヨーロッパ、あるいはフランスのフレネ教育の情報を提供されたい・・先ほど返信した。
 とまあ、研究者として生きてきたこの人生で、こうした本質的な研究協力や問い合わせを受けたのははじめてのことと言っても大げさではない。「身内」からはあきれられ見捨てられ、そして忘れられたのだろう、どのような協力依頼もないけれど、こうして未知の人から研究に関わる問い合わせや依頼が来ると、元気をいただく。精一杯、ぼくの持てる力を提供したいと思う。それによって、ぼくの研究が発展していくのだろう、トドちゃんの言うごとく。欲を言えば、パリ・コミューン研究に関してはなんのリアクションもないのが、残念。ぼくが研究的に持てる史料は、生活綴方に次いで多いのがパリ・コミューンなのだけれど。