日本セガン研究会から○○先生にお願いのこと

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 明年の2012年は知的障害教育の開拓者の一人であるオネジム=エドゥアール・セガン(1812〜1880)の生誕200周年にあたります。我が国でのセガン評価はすでに明治期からあり、またその理論的・実践的影響は小さくなく、たとえば、故石井亮一氏が開設した滝乃川学園(東京)はよく知られたところです。また、研究対象としても1960年代から本格的にセガンは取り扱われてきており、その研究開拓期の人々によって「セガン」の名は障害児教育界あるいは幼児教育界の「常識」として語られるまでにいたり、かつ、「日本にセガン研究あり」と世界で注目されてきております。その具体は、清水寛編著『セガン 知的障害教育・福祉の源流−研究と大学教育の実践』(全4巻、日本図書センター、2004年)としてまとめられ、同書編集の業績に対して、日本社会事業史学会から「文献資料賞」が授与されました。
 一方、それらの実践、研究を批判的に継承発展させようとする機運が2003年頃澎湃として起こり、その動向を受けて2005年7月に「日本セガン研究会」が組織され(事務局、学習院大学教職課程川口幸宏研究室)、かつ会報『セガン研究報』が刊行されるに至りました(不定期発行)。いわば、我が国におけるセガン研究の第3世代期にあたります。この期に、川口幸宏会員が『知的障害(イディオ)教育の開拓者セガン〜孤立から社会化への探究』(新日本出版社、2010年)を公刊しております。同書に対しては、清水寛埼玉大学名誉教授(「しんぶん赤旗」)、神郁雄東京都公立中学校教師(児言研『国語の授業』)、井関美季大阪府支援学校教師(日生連『生活教育』)、藤井力夫元北海道教育大学教授(『フランス教育学会紀要』)の各氏が、新聞、雑誌、紀要を媒体として、書評を寄稿されました。
 そこで、「日本セガン研究会」は、セガン生誕200年を記念する企画に『セガン研究報』の生誕200周年記念号を刊行することにし、同号に、上記書評を転載させていただきたいと、強く望んでおります。「セガン」をどう評価するかは、それぞれがそれぞれのお立場であることが緊要のことと考えています。そして、その方法論も多様であるべきだとも考えております。
 どうか、このような趣旨を受け止めて下さり、転載許可をいただきますよう、重ねてお願い申し上げます。
 2011年10月6日
 日本セガン研究会事務局