ん?18世紀のフランス語…

 ペチカの燃料である薪材で作った筏がセーヌ川に辿りつく。どんな光景だったのだろう。ここ数年の強い興味対象である。パリの絵画ポスター専門の古書店に足を運び、店主に尋ねる。そもそもその光景が描かれているのを探しているのだから、あれこれと、単語を列べて説明する。店主は首を傾げながら、筏師(flotteur)を説明した時は釣りの浮き(flotteur)画が探し出され、筏流し(flottage)を説明すれば、人が海洋上でむしろを帆に見立てて漂流している光景の絵が探し出され…、結局、ぼくの求める絵に出会うことがないままである。やむを得ず、出版物から当該の絵を探し出すことになる。「親方」と「弟子」との二人乗りの「筏」セガンが比喩したような長蛇の筏―「流れは絶えず筏に襲いかかる。しかし、そのぞっとするような流れは続かず、薪材の長い蛇はその身体を持ち直し、大抵、その驚くほどの高さの姿を取り戻す。」)が正確に描かれている絵にはほとんど出会わない。
 今も図版できちんと確かめることができないままだが、18世紀後半期(フランス革命前)の「筏」に関する法令や当時の百科事典から、文字を通して、イメージを持ちつつある。
 古いフランス語故、フランス語を専門的には習得していないことから、遅々として進まないが、少しずつ少しずつそのベールが剥がれつつある。
 楽しいかな、苦しいかな。