貧乏性の嘆き節

 昨夜は午前様になった。久方ぶりだな。帰宅途中の電車の中で酔客にからまれた。彼が言ったこと、それはまるで、ぼくがあほエッセイとして書いた「芭蕉借句集」の一頁とまるで同じだった。以下、再録しておこう。
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戯れ俳句:下戸の身に寒き懐、割勘哉(や)  芭蕉の俳句:下戸の身に寒き池田の月夜哉
 ホーム・パーティーやサロン・パーティーにあまりなじみを持たない我が国の社交と言えば、一般には、特定の組織・団体内で催される新年会、送別会、歓迎会、花見、納め会がポピュラーであろう。昨今は合コンてなものもあるとか。
 こうした行事のあとにつきものが二次会、三次会。気のあった仲間同士という立前ではあるが、なかなかどうして、「和を以て尊しと為す」の我が日本社会は、1/2いや1/5仲間意識しかなくとも、多少酔いの回った口達者で陽気な先輩から「おまえも参加するだろう」とお声がかかれば断ることは困難である。二次会は大衆酒場が通り相場である。一通り世間話にやや酔いが加わりはじめた頃「お開き」の声がかかる。「では私はこれで」と帰ろうとするが、「おまえは飲んでない!今日はとことん付き合わせるぞ。」という声に引っ張られて、渋々、「いい店見つけたんだよ。」と、場末のバーに引きずり込まれてしまう。さんざん自慢話と上司・同僚の悪口を聞かされ、酌婦に「私もいただいちゃお。いいね?」と無理矢理同意させられる。へべれけの口からやっと聞き取れる「おまえはいい奴だよ。」は先行き暗雲の徴、キッパリ、はっきりと「割り勘や!」 今日の出費ン万円。トホホ。
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 これからの季節、くれぐれも御用心を、ご同輩。