もてることのない老人も居場所が作られた

 昨夜はエミール・ゼミの忘年会。数人のお嬢の中に醜き男老人がぽつん…いや、ぼく自身が定めている定席はコーナーである。「真ん中に是非…」などと誘われても、「いや、ぼくは左耳が聞こえないから、左隣の人とのコミュニケーションが取れにくくなりますから、このコーナーが一番都合がいいのです。」と、ドカッと座り込み、動かない。あらゆる飲み会でもそうである。これが一番都合がいいのは、「酌」の指したり指されたりという患わしさがない、マイペースで時を過ごすことができることだ。もちろん、時折話題に入る。その時は身体ごと耳をそちらに傾ける、いや、半身を出す、だな。
 年を改めてエミールをどう進めるか。第5編、つまり女子教育を学ぶことになった。これはこれで楽しい学びになるだろう。酒席に出張した話題「女は作られる」というヴォーヴォワールの言葉。「意味わかんなーい」というお嬢もおられたが、「第二の性」の学び合いをいつしかしたいね、という会話にも進む。
 自主ゼミを7時過ぎまで行い7時半から忘年会。10時近くまで。その後、「スイーツを!」というぼくの甘い誘いに全員が乗っかり、メトロポリタンの喫茶部で2次会。11時過ぎに池袋を発った。ある駅で一人のお嬢から「センセ・・・」という切ない訴えが…ありませぬ!人間関係がうまく取れないという立ち話をし、「胸のつかえが取れたわけではないですけど…」というお嬢に「これからも試行錯誤をしていきましょう。自分に正直であることです。」と申し上げ、あたふたとプラットホームに降り立った。帰宅午前1時。細君から「今日はお泊まりだったっけ?」というメールが届いた…。
 今日はきわめて少人数の忘年会。いや、お誕生会。かわいい1年生のお嬢。