一堂に会す

 妻の実家に年賀の挨拶へ。
 義母は入院中。義父はお元気で何よりでした。
 我が家族は細君、ぼく、上娘。我が家族から出た下娘とその娘(ぼくにとっては孫)。下娘の夫(つまり義理の息子)と息子(孫)は義理の息子の故郷ジャマイカで年末年始を過ごしている。
 細君の弟(つまり義理の弟)とその家族。といっても義理の弟とその妻およびその息子。
 いつもひっそり閑散と暮らしている我が家族からすれば、大変な大人数。義理の弟は弁護士になり立てほやほや。横浜の法律事務所で働いているとか。義理の息子はイギリスの弁護士資格所有。「国際商法弁護士だよ」といつか言っていたっけな。わいわいがやがや賑やかに話題があっちこっちへ行く。細君はこの3月で定年退職。再雇用申請をしているけれど希望の職場にならなかったらどうしよう、と悩ましげだった。ぼくと義父とは黙って聞き役。いつもの通り。
 「お互い今年も健やかに過ごしましょう。」
 ぼくはアルコールは一切口にせず、ただただお節料理をつつく役でした。孫も当然のことながらアルコールは一切口にせず、賑やかにはしゃいでおりました。ぼくの膝には来なかったけどね。あっちの人こっちの人に遊んでもらって、楽しそうに時を過ごしていました。
この家族図を孫の立場から捉えて作文を書くとこうなるのかしら。ちょっと大人びた文体で。3歳児にはとても書けません。
「きょう、マミィとお出かけしました。ダディとにいちゃんはジャマイカに行っていて、いっしょじゃありませんでした。
 北千住というところで、ママちゃんとメメちゃんとジジと会いました。それからたくさんたくさんの人がいるところでお買い物をしました。ジジは、なんだか分からないけれど、トイレのそばにあるいすに座ったまま動こうとしなかったので、ジジを放っておいて、みんなでお買い物をしました。楽しかったです。
 それからみんなで、大ジジのお家に行きました。それから、すてきなおじさんときれいなおばさんと大きなおにいちゃんもきました。わたしはおいしい食べ物をたくさんいただき、おじさんとおばさんとあそびました。マミィとママちゃんはたのしそうにおはなしをしていました。メメちゃんはいそがしそうでした。大ジジとジジはしずかにしていました。わたしはちょっとたいくつしたとき、かみどめで、みんなのかみの毛をつまんであそびました。でも、大ジジとジジとは「やめとくれ、毛が無くなる」とか言っていました。もともとないからつまめないのにねえ。
 それからきれいなおばさんに車に乗せてもらって、わたしとマミィとママちゃんとジジとが駅まで送ってもらいました。駅で、ママちゃんとジジとお別れしました。眠くてぐずってマミィを困らせてお家に帰りました。楽しかったです。」
 
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