さて、その実態は…

 むかーしむかし、多羅尾伴内というお人が銀幕のうちにおられましたな。今では差別語であるからと公的に使うことが禁止されている各種障害者に(も)変装する多羅尾伴内が馬鹿の鶴は好きでした。親や教師の目を盗んで映画館に(無料で)潜り込んで固唾を呑んだもの。「ある時は・・・・、またある時は、、、、その実態は???」などとの謎解きを自らやってのける映画の最終場面。
 あ、こういう話になってしまったのは、今日のぼくの過ごし方。というより、扱われ方。ちゃう、評価というべきでしょう。中でも傑作…。某大手書店のおねえさんに無理を言ってお願いしていた目録が研究室に届けられた。傍らには羊さんがいる。ぼくが所用で学内でうだうだしている間、羊さんはそのおねえさんのお相手をして下さっていた。
おねえさん、羊さんに曰く、「先生は、いつもにこにこと穏やかでお優しい方ですね。」
羊さん返して曰く、「それ、そこら辺に歩いている学生に言ってやって、言ってやって。」
 そうなんですよね。学生が歩いている群れに石を投げれば必ずあたる「川口は鬼門」説。その一方で、「にこやかでお優しい」説。そしてぼくの胸の中に去来する自画像「無関心、無感動」説。
 明日はどの多羅尾伴内に変装しようかしら。