新学期開始、だが・・

◎オドオドした雰囲気で女子学生が研究室を訪れた。「…学科4年のHKです。」「ああ、あなたがHKさんね。お名前とお顔とがこれで一致した。」「私はまだ道徳教育の研究の履修がすんでいないのですが・・・」 話の内容は、前期に教育実習に行く、しかし授業の道徳教育の研究とダブっている、果たしてどうなるのか、ということだ。「教育実習期間は、授業の方は公欠扱いになりますから、出席は心配しなくてもいいですよ。」 やや安心した様子だったが、まだ顔がこわばっている。「鬼の川口ですものねぇ。そう簡単に単位は取れないんじゃないか…。そういう心配が顔に出てる。」 HKの顔が和らいだところで、「授業内容のことはまったく心配しないで、教育実習に力を注いで下さい。例年、それなりに配慮をしています。免許が取れなきゃ困ってしまうし、ね。ぼくもそれで恨まれたらたまんない。」 少し声をあげて笑ったところで、「では、教育実習に全力を注いで下さいね。」と退出を願った。この手の質問は今週の授業開始とともに授業終了後に相談にやってくるだろう。
◎少々PC作業に疲れたのでカードゲームで遊んでいたが、背中に人の気配。「ありゃー、見られちゃった。」「うふふふ。」 AOさんが立っていた。検査入院をしますというメールをもらったきり音沙汰がなかったので「もう大丈夫なの?検査の結果は?」と切り出した。突発性疾病だったとのことで、元気。1時間ほど、研究のこと、進路のことなどを語り合い、AOさんの進路相談には急きょ、アルバイトのUさんに来室を願い、アドバイスをお願いした。継続的に為されるといいと思う。AOさんの本当の来室の目的は事務手続き上の問題が出来した、それにどう対応するか、ということだったのだろうか。事務から耳打ちされ知ったぼくはAOさんにそれを直截に尋ねたが、問題解決がスムーズに為されればうれしい、という回答。事情を尋ね、有利な解決には結びつかないかもしれない、と応えた。やや肩を落として退室した。
◎廊下でKIさんと鉢合わせ。「おや!」「先生!」これが、<こんにちは>代わりの挨拶。教育実習の受け入れ校から具体的なスケジュールをまだ言ってこない、というので、返信用の封筒を入れて、スケジュールを可能な限り早くご教示いただきたい、旨を書いて送るように指導。「先生、参観指導にぜったいに来ないでね!」ぼくの自宅から30分ほどのところの高校での実習故、このことが心配らしい。「はいはい。」 ついでに、エミールゼミの再開を決め、春休みの学習課題となっていたフランス語テキストを終えることができなかった、難しすぎる、というので、10ページほどのパンフレットを提供した。「先生と一緒にフランスに行くんだから、ちゃんと読まなきゃ。」という。「ほほー」と反応しておいたが、そうなると、他にメンバーを集めなきゃね。
◎明日は会議が続く。