「知」の創生

 今年度の少人数による学習活動(カリキュラム外学習、いわゆる「自主ゼミ」)は昨日ですべて出そろった。ちょっと整理しておく。
1.「エミール」ゼミ 隔週火曜日(教授会等会議の無い週の火曜日)13時から。昨年度「ジェンダーと生徒指導とを結びつけた学びに興味がある」と語りかけてきた法学研究科院生のIさんをり―ダーとして、「根源的な近代教育論にジェンダーを見たらどうだろう。ルソーの『エミール』などは、子ども・青年発見の書であるばかりでなく、「らしさ神話」の原初の一つでもあるから、第5編をテキストとした自主的な学びの会で学びあっていったらどうだろう。」とのぼくの提起を受けて始められた。今年度に入って今週が第1回。議論は活発に行われ、ぼく自身にとっては、歴史の再点検ともなっており、知的な刺激が強いゼミとなっている。法学研究科、文学研究科、法学部、理学部、文学部の女子ばかりで構成されている。来週は臨時に火曜18時から。半数以上の者が教育実習期間をすぐに控えているため「教育実習行ってらっしゃい食事会」となり、その後の活動計画が為される。
2.「川口ゼミ(自主ゼミ)」と公示した隔週水曜18時から 学習院女子大2年生のSさんをリーダーとして。教育時事にかかわるテーマ、教育実践にかかわるテーマが主体となる。
3.金曜5限カリキュラム内時間(大学院授業コマ)を使った自由な論議の会。今年度は大学院生の履修者はいないが、理学部学生と理学研究科院生とが、「川口との自由放談を楽しみたい」と申し入れてきたことから実現。やはり教育実習期間がすぐなので来週は自由放談の後食事会を予定している。来週は他大学生と文学部学生とが臨時参加。この放談会は視覚障害者が、いわば学びのリーダー。ぼく自身が多くの学びをさせてもらっている。前回、「先生と一緒にどこかに行きたい」との語りが出され、韓国・釜山が候補に挙がった。通訳を理学研究科院生のお母様が担って下さるとの申し出があった。「学び」の活動がぐんぐん広がる実感がある。ぼくにとって、大げさでなく、学習とコミュニケーション人生の大きな転換となるであろう。
4.これは「自主ゼミ」と言えるかどうか不明だが、たいそう刺激多い学びが為される予感がする。木曜日5限の道徳教育の研究履修者の中から哲学を専修、専攻する学生、院生と授業後の「自由な語りの食事会」を隔週で持つ。
 以上の「自主ゼミ」参加者に重なりはない。これもまた面白い現象である。
◎旧作エッセイ2本をHP「川口幸宏の教育の旅」にアップ。「彷徨」(青年期論)と「くれぐれもご用心下さい」(旅記録)