「今日からそれを新しい学説とします」

 そのお方がぼくに発せられたありがたくもかしこいお言葉。学説決定権、判定権を把持しているぞ、というお姿勢にただひれ伏すしかないのだった。
 それから約8年の歳月が流れた。だが、そのお方は無学位からだろうか、いっこうに「それ」は「新しい学説」として流通することがなく、別の博士様は相も変わらず旧来の根拠レスの説をこちらの質問にも答えることなくお使い遊ばされているという現状。
 なんだろうねぇ、無学位のお方と博士様とがなさっているご研究の質は。論議なく、論争なき学問、「ご下知」と変換されてしまうほどgakumonの誤変換状態。