お一人様

 朝、細君と上娘とが、「出かけてきます。」
 ネコと爺様とがおとなしく暮れも暮れ大晦を過ごす。これって、近未来像だな。そう思えば、未來のための訓練じゃ。
 しかし、暇だね-。ネコたちは惰眠を貪る習性で居間には寄りつかないし。
 そうだ、今年の総括と来年の展望の作業をしましょう。・・・ということで、「筏師」の文献を紐解き始めました。今まで気が付かなかった歴史事象にハッとさせられる。
 山から木を切り出しますワナ。それを小川に投げ込みますな、春期の雪解け水で増水した小川が伐採木をドップラコ〜、ダダダダダ〜、と、いろんな擬音効果を伴って、とにもかくにも、材木溜池に到着します。・・・で、時期に到ると筏に組む。
 単純頭の鶴はそう考えていたわけだ。筏の巨大さに目がくらみ、そちらばかりに頭が回ってしまっていた。だけど、川の流れで運ばれた薪材が全部健全とは限らない。そう、損傷がある。傷つき、沈み、いろいろ・・・ね。そういった材木を選り分ける。そんな作業をも入れると、ホント、人間って、利口じゃん、と思いますねー。ガチャガチャってやれば欲しいものが手に入る現代では完全に失われた利口さね。これこそ、「教育の淵源実に此処に存す」(教育勅語より)、ではありませんか。
 来年はやるぜー。
○「夜は下娘の家で食事ね。」細君が言い残していった言葉。そうか、年の〆は娘のうちで外食。孫たちの賑やかさに耐えられるといいなぁ。