第二の脳

リハビリはだんだん細かくなってきた。ぼくの多少荒い息づかいから、疲れましたか?という声が掛かる。肉体的な疲れはほとんどない。最新の強度の緊張感が荒い息を生んでいると思う。
思えば特に指の作業などは根をつめてやりきるということは逃げてきた。まったくの怠け者。ジグソーパズルに取り組むなんてとんでもない。
今は作業療法で、この細かい作業を繰り返している。腕がだるくなり指がだるくなり動きが鈍くなる。手は第二の脳といい認知能力に大きく関わります、と高木さん。手はからだの外に突き出た第二の脳、カントでしたかね、とぼく。だけれどもぼくは手先を使う作業は必ず放りだしてしまうのですけど、今は頑張っています。高木さん、曰く、ここでの川口さんしか見ていませんから、努力家だと思いますよ。
動きが鈍くなったら、すぐ休んでいいこのリハビリだからこそ、作業を続けられるのだろう。ささやかだけど大きな目標に支えられて。
自分の出来ることを少しでも増やし、深め、共生したいから。